
AirPodsシリーズが人気の完全ワイヤレスイヤホンを含むスマートパーソナルオーディオ。特に、完全ワイヤレスイヤホン(TWS)は、コロナ禍で在宅勤務やオンライン学習が増えたことで、需要が高まっています。また、音質やデザイン、バッテリー持続時間などの性能向上も、消費者の購買意欲を刺激しています。しかし、世界的に見ると、スマートパーソナルオーディオ市場は停滞気味です。2023年第3四半期(7~9月)には、出荷台数が前年同期比3%減の1億1,000万台となりました。これは、先進国での市場飽和や、新型コロナウイルスの感染拡大による供給不足や需要低迷が影響したためです。
この記事では、スマートパーソナルオーディオ市場の最新動向について、Canalysという市場調査会社のレポート参考にして紹介します。
市場のトレンドと展望
TWSは市場の73%を占め、主流となっています。これは、消費者が手頃な価格で高品質なオーディオ体験を求めていることを示しています。また、ワイヤレスヘッドフォンの出荷台数がワイヤレスイヤホンを上回る傾向が見られ、これはベンダーがより高収益の製品に焦点を当てていることを示唆しています。
2023年第3四半期において、ワイヤレスヘッドフォンの出荷台数がワイヤレスイヤホンを初めて上回りました。これは、ベンダーがより高い収益を求めてワイヤレスヘッドフォンに注力し、一方でワイヤレスイヤホンが完全ワイヤレスタイプ(TWS)に置き換わっているためです。また、空気伝導や骨伝導などの代替ウェアラブル形式は、全出荷台数のわずか2%未満を占めていますが、市場飽和による利益と差別化のための製品革新が進行中であることを示しています。
地域別の動向
北米と西ヨーロッパはそれぞれ12%と10%の減少を示しました。これらの地域では、高い市場飽和度と経済環境の厳しさが出荷台数の減少に影響しています。一方、新興市場では経済の回復と低価格帯製品の人気により、市場が成長しています。
主要メーカーのシェアとパフォーマンス
Apple
Appleは市場シェアの21%を占め、出荷台数は前年比7%減の23.4百万台を記録しました。この数字にはBeatsブランドも含まれます。Appleのこの減少は、市場の飽和と消費者の支出抑制が一因となっていると分析されています。
Samsung
Samsungのシェアは8%で、出荷台数は前年比14%減の9.2百万台。Samsungにはハーマンの子会社(JBL)も含まれます。Samsungは中価格帯の製品に焦点を当て、市場シェアを維持しようとしています。
ボート
インドのオーディオブランドであるボートは、市場シェア6%、出荷台数6.5百万台(前年比1%減)を記録。ボートは主にインド市場に注力しており、価格競争力と地域密着型の戦略で成長を続けています。
ソニー
ソニーは市場シェア5%、出荷台数5.2百万台で、前年比11%増加。ソニーは高品質なオーディオ性能とブランド力を活かし、堅実な成長を遂げています。
シャオミ
シャオミは市場シェア4%、出荷台数4.3百万台で、前年比22%増加。低価格帯での強みを活かし、特にアジア市場でのシェア拡大を見せています。
参照元:Canalys
監修者コメント:工夫をしてAIに数字をしっかりと読み込んでもらいました。元のレポートにはグラフが掲載されているので、詳しく知りたい方はリンクも参照してください。