
2023年、S&P 500およびNASDAQの株式市場は、ビッグテック企業群によって大きく支えられました。Apple Inc.、Alphabet Inc.、Meta Platforms Inc.、Microsoft Corp.、NVIDIA Corp.、Amazon.com Inc.、Tesla Inc.の7社は、S&P 500の全体的な上昇に大きく貢献し、特にNVIDIAとMeta Platformsの株価は2022年の下落から驚異的な回復を見せました。
この記事では、Visual Capitalistというサイトに掲載されたデータとグラフを参考にしながら、テック大手6社の収益源について解説します(自動車メーカーのTeslaは除外しています)。
まず、各社の売上比率のグラフは下記の通りです。

テック大手の収益源は、大きく分けて2つのタイプに分類できます。
- あなたに製品を売る
- あなたを製品として広告主に売る
アップル、マイクロソフト、アマゾンは、前者のタイプに属します。これらの会社は、ほとんどの伝統的なビジネスと同様に、顧客に物理的(またはデジタル的)な製品を提供することで収益を得ています。アップルの収益の半分以上はiPhoneの販売から来ており、マイクロソフトの収益の約3分の1はAzureというクラウドサービス、そしてそれ以外もソフトウェアやサービス販売から来ています。アマゾンの収益の半分弱はオンラインストアから来ています。
一方、メタとアルファベットは、後者のタイプに属します。これらの会社は、実際の製品を売るのではなく、ユーザーの注意を集めることで収益を得ています。メタの収益の約98%はフェイスブックの広告から来ており、アルファベットの収益の約81%はグーグルの各種製品における広告から来ています。しかし、これらの会社に共通することは、近年、収益が急増しているということです。
Alphabet, Amazon, Meta
- Alphabetは2022年に2800億ドル以上の収益を上げ、その約60%がGoogle検索からのものです。600億ドルの利益と21.2%の純利益率を記録しました。
- Amazonは収益5140億ドルを達成しましたが、店舗の閉鎖に伴う費用で27億ドルの損失を記録。その結果、純利益率は-0.53%でした。
- Metaは1170億ドルの収益と230億ドルの利益を上げ、純利益率は19.9%でしたが、1%の収益減少を見せました。
Apple, Microsoft, Nvidia
- Appleの収益は3830億ドル、利益は970億ドルで、純利益率は25.3%に達しました。iPhoneが収益の52%を占めていますが、全体の収益は5%減少しました。
- Microsoftは2120億ドルの収益を上げ、クラウドとサーバーセグメントの成長により720億ドルの純利益を達成しました。これはビッグテック企業の中で最高の34.1%の純利益率です。
- NvidiaはAIチップ事業の成長により、270億ドルの収益と43億ドルの利益を記録しました。純利益率は15.9%です。
ビッグテック企業は、2023年の株式市場を大きく支えると同時に、今後の投資の方向性をも示唆しています。特にAI技術の進展が、2024年の投資テーマの一つとなることは間違いありません。特にNvidiaのようなAIチップ企業は、著しい収益を上げ、投資家の注目を集めています。
2024年の注目動向はやはりAIか
Alphabet、Amazon、Metaなど他のビッグテック企業も、AIに関連するサービスや製品を開発し続けています。これらの企業の技術的進歩と市場での地位は、AI投資の増加に大きく寄与するでしょう。2024年には、AI技術を活用した新しいビジネスモデルやサービスがさらに多く登場することが予想されます。
さらに、Microsoftのような企業は、クラウドとAIの融合により新たなビジネスチャンスを創出しています。これらの企業が展開するAI技術とクラウドサービスは、ビジネスの効率化やイノベーションの推進に不可欠な要素となっています。
投資家にとって、これらの動向は、将来の投資戦略を考える上で重要な指針を提供します。AI技術の進歩とビッグテック企業の戦略は、2024年における投資の主要なテーマとなることが予測され、これらの技術がもたらす変革の波に乗ることが、成功への鍵となるでしょう。
この記事は、Visual Capitalistの「Big Tech Companies Make Their Billions」を参考にしています。詳細はこちらのリンクでご覧いただけます。
※投資に関する情報は、あくまで参考程度にお考えください。投資に関する最終判断は、ご自身の判断でお願いいたします。
監修者のコメント:オリジナル記事は2023年12月のものですが、参照元のグラフのビジュアル化が素晴らしく記事化しました。分析は記事の翻訳ではなく独自に行っています。